正解のない仕事にやりがいを感じる

福祉系大学に進学し卒業と同時に社会福祉士の資格を取得する人もいる。
資格を取るために勉強したことは、その後の仕事上で大いに役に立つものだ。
しかし、社会福祉法人の施設などに入社して、入居している人たちと接してみると、ひとりひとりの介護方法が異なるので、教科書どおりにはいかない。
それでも、基本の知識と技術があれば、経験を通しながら工夫することができる。
入所して一般的な専門職の仕事としては、入居している人の排せつ、入浴など、身の回りの手伝いから始まる。
毎日同じことの連続のように思うが、施設というのは比較的元気な人も多いので、行事では外出や料理、花火などもあり、いつもと違う表情で楽しんでいる様子を見ると、とてもやりがいを感じることができる。
それでも、気を遣うのは、入居している人たちが、安心して穏やかに過ごすことができるように雰囲気作りをすることだ。
特に、みんなが過ごすフロアは、できるだけ季節感を出してゆったり落ち着けるように工夫する必要がある。
ところが、何か置いておくと認知症の人も入居しているので持っていってしまったりする。
何もなければ殺風景で、どうやって物をあまり置かないでリラックスできる空間を作り出そうかと、アロマをたいたり音楽を流してみたりして知恵を絞るものだ。
このようなことは、国家資格を取るための受験勉強にはなかったことで、正解のない仕事。
いろいろ工夫したりするところが、逆にやりがいを感じるものだ。