高い志をもってケアマネの仕事に挑んでいるからこそ、対人援助が本来的にもっているモヤモヤ感によって、バーンアウトに至ってしまうという問題がある。
バーンアウトの予防については、同じ対人援助職の中でも先行研究の多い看護師の、バーンアウトに関する研究を参考にするといい。
それによると、看護職間の協力やチームワーク、仕事のやりがいと誇りとバーンアウトの間に負の関連性がある、ということが言われており、職場において孤立せずにチームで仕事ができること、さらに、働きがいや誇りを感じられることが、バーンアウトを予防する大きな要因ということだ。
一人職場の多いケアマネにとって、同僚と仕事をすることはなかなか難しいと思われるが、スーパービジョンやコンサルテージョンの場を意識して作ることは、極めて重要である。
スーパービジョンというと、厳しい指導を受けるというイメージもあるが、そこで自分の仕事を認めてもらえたり、ねぎらいの言葉をかけてもらえれば、放出されたエネルギーが充電されるので、声をかけてくれる仲間を持つことが重要なのだ。
また、ケアマネが、どうすれば自分の仕事にやりがいを感じられるかについては、バーンアウトと年齢の関連性から考えられる。
若い人ほどバーンアウトしやすく、勤続年数の長い人ほどしにくいということであり、この背景には、さまざまな要因が考えられるものだ。
経験の浅い人ほど達成への期待が高く、現実とかけ離れた理想を持ちやすい。
長く勤めている人のほうが、誇りや働きがいを感じているのが自然なため、経験をつむことで現実に即したゴールを想定できるようになり、モヤモヤもふくめやりがいだ、と受け止められるようになるのだ。