福祉業界は量の確保と共に質が問われる

現在の社会福祉はノーマライゼーションの考えのもとに、施設福祉から在宅福祉へという大きな変化の流れの中にある。介護保険がスタートして急がれているのが老人福祉の施設やサービスの整備、そうして人材育成なのだ。
21世紀半ばには3人に1人が65歳以上になると予想されており、ホームヘルパー、デイサービスなどの在宅サービス、老人保健施設などの施設サービスの量的拡大が急がれている。
したがって、高齢者、障害者の分野は、施設やサービスの整備により、福祉事業従事者の数も伸びていくことが予想される。
また、介護保険制度のもとでは、かつてのように行政の計画で供給量をコントロールするのではなく、福祉ニーズに応じてサービス量が増えていくので、従業者数が増えていくことは確実なのだ。
更に、福祉の専門職としての資格創設が進んだため、現場では福祉専門職の資格者雇用が伸びている。
福祉の業界は、人が人に直接提供するサービスが中心であり、従業者の技量がサービスの質に大きな影響を与える。
そのために働く人には、一定レベル以上の専門知識や技術、経験が求められるのでやりがいがあるのだ。
近年は福祉事務所などに寄せられる相談は、社会の変化にともなって複雑化・深刻化としているため、専門の配置も急がれている。
法制度に基づく国家資格の取得はもちろん、倫理性などの人間的な資質やこれまでの経験なども重視されるため、取得した資格に留まることなく、キャリアアップに挑む人たちも多い職場なのだ。